漆(うるし)へのこだわり
オーダー家具の仕上げとしてこだわっているものの一つとして漆があげられます。和塗装(漆)と洋塗装(吹き付けウレタン等)を比べてみることにします。
合理的なのは圧倒的に洋塗装です。
洋塗装の通常工程は以下のようになります
着色
↓
1回目吹き付け
↓
サンディング(やすりをかけて表面を滑らかにする作業)
↓
2回目シーラ(中塗りに用いられる、塗膜研磨をしやすくするための塗料)
↓
サンディング
↓
仕上げ
それに比べ漆(摺漆・すりうるし)は手間がかかります。
それではなぜ、手間のかかる漆にこだわるかといえば
漆の質感や表情が洋塗装では表現できない仕上がりになるからです。
漆仕上げへのこだわり
漆は時間の経過とともにまるで生きているかのように透けて木地になじんでいきます。例えば今日みる表情と1年後みる表情にびっくりすることがあります。
つまり日々良くなって味が出てくる漆と日々劣化していく洋塗装とはまったく別物であると思います。
摺漆(すりうるし)仕上げは木地の良否がはっきりあらわれます。
木地が悪いと漆を重ねるごとにどんどんその悪さが強調されるかわり
木地が良いとどんどんその木地の良さを引き立てよい仕上がりになっていきます。
それではいかに木地を良くするか、漆が良くなじみ漆が透きとおるようにするかは
どれだけ木地の奥まで漆を浸透させるかなのです。
ではどうすればそのような木地がつくれるのか・・・・。
漆を木地の奥に浸透させるには
一般的に木地の仕上げにはサンドペーパーなどで削るサンディングと刃物で削る鉋(かんな)仕上げがあります。漆を深く浸透させるためには鉋(かんな)仕上げのほうが適しています。
サンディングではどうしても木地が目詰まりしてしまい漆が深く浸透しません。

深く漆を浸透させるためには木地の仕上げだけではありません。
摺漆(すりうるし)という技法は漆を塗ってはふき取る工程を何度も繰り返すことによって木目を生かし漆を浸透させる方法なのですが
より深く漆を浸透させるために木地に漆を塗ったままなるべく長い時間おいてふきあげます。
しかし、漆は温度、湿度の違いにより硬化する時間が異なるし
色、ツヤもかわってくるので漆を拭き取るタイミングが大変難しい
漆をすわせ拭き取る・・・
こんな単純な作業を繰り返すだけではあるが単純であるがゆえ奥が深い技法です。
漆の耐性やメンテナンス
漆は耐熱、耐酸性に他の塗料に比べ強い。ただ漆は万能かといえばそうでもなく、紫外線(直射日光)には弱くツヤがひけていっていまいます。
また、塗膜はやわらかいため傷は付いてしまうが目立ちにくい特性があります。
反対にもし、硬い塗膜ですと傷が白く付いてしまい目立ちます。
最後に長く使うことを前提としているので大変メンテナンス性に優れています。
他の塗料ですと一度今ある塗装をはがしてから新しい塗装を行わなければなりません。
しかし漆の場合、少し漆をとったり油分を取る程度で上塗りすることができます。